乳がんになりやすい人の特徴・行動は?出産、飲酒、喫煙、遺伝子…リスクを上げる要因と対処法【医師監修】

乳がんになりやすい人の特徴・行動は?出産、飲酒、喫煙、遺伝子…リスクを上げる要因と対処法【医師監修】
AD
目次

乳がんになりやすい人の特徴・行動は?出産、飲酒、喫煙、遺伝子…リスクを上げる要因と対処法


女性にとって身近な病のひとつである、乳がん。日本の乳がん罹患者は年々増え続けており、今では「日本人女性の11人に1人がかかる」と言われています。

患者に最も多い年齢は40〜60代。そのため若い女性は「私にはまだ関係ない」と感じるかもしれません。でも20代、30代のときの生活習慣が将来の乳がんリスクに繋がるとしたら、どうでしょうか? 若いうちから乳がんについて正しい知識を身に着けておく必要がありそうです。

医師
c)Shutterstock.com

乳がんになりやすいのはどんな人なのでしょうか? また若いときのどんな行動がリスクを上げてしまうのでしょうか?

20代のうちから知っておきたい「乳がんの知識」を、乳がん治療の第一線で活躍中の昭和大学病院乳腺外科・明石定子先生に伺いました。

▼乳がんになりやすい人の特徴をチェック


Q.乳がんになりやすいのはどんな人ですか?

次のような女性は、比較的乳がんにかかりやすいと言われています。

◯ 出産・授乳の経験がない人
◯ 初産が35歳以上だった人
◯ 初潮年齢が早かった人
◯ 閉経年齢が遅かった人
◯ 閉経後、肥満体型の人
◯ 家系に乳がん罹患者が複数いる人
◯ 家系に若くして乳がんにかかった人がいる人
◯ 家系に両側性の乳がんor卵巣がんにかかった人がいる人
△ 背が高い人

乳がんの発症原因についてはまだ分かっていないことも多いのですが、これらの特徴を持つ人は発症リスクが高いというデータがあります。

Q.どうして出産や授乳が発症リスクと関係しているのですか?

乳がんのがん細胞は女性ホルモンを栄養として増えていくので、出産・授乳・初潮・閉経といった女性特有の経験の有無や時期によって発症リスクが上下します。とくに出産や授乳の経験は、乳がんリスクを大きく下げると言われています。

Q.身内に乳がん患者さんがいる場合も、リスクが上がるのですか?

はい。家系の中で乳がんになった方の数が多ければ多いほど、かかりやすい遺伝子を持っている確率が高くなります。また若い年齢で発症した方や、両側性の乳がんにかかった方、卵巣がんにかかった方が親族にいらっしゃる場合も、遺伝性のリスクを持っている確率が上がります。

Q.背が高い人の方が、低い人よりもリスクが高いのは何故ですか?

乳がんの中でも一部のタイプは、女性ホルモンの代わりに成長ホルモンを栄養にして増えます。背が高いということは成長ホルモンの分泌が盛んであるということなので、背が高い人は発症リスクが高いと言われています。

Q.「胸が大きい・小さい」というのは乳がんリスクには関係ありませんか?

はい、胸のサイズはとくに関係ありません。

 

▼乳がんリスクを上げてしまう「行動」とは?


Q.乳がんの発症リスクを上げてしまう行動はありますか?

次のような行動は、乳がん発症リスクを高めます。

◯ 飲酒
◯ 喫煙
◯ ホルモン補充療法
△ 経口避妊薬(ピル)の使用

飲酒や喫煙は、量が増えれば増えるほど乳がんの発症リスクを高めます。とくに若いうちからの喫煙はリスクを大きく上昇させます。

Q.ホルモン補充療法とは何ですか?

ホルモン補充療法とは、更年期障害を改善する治療法の1つです。ホルモン補充療法の中でもエストロゲンとプロゲスチンを併用する方法では、わずかながら乳がん発症リスクが上がることが分かっています。

Q.経口避妊薬(ピル)の使用もリスクを上げてしまいますか?

「リスクをわずかに上げる可能性がある」と言われています。
ホルモン補充療法とピルの使用に関しては、もしリスクを高めるとしても程度はわずかですので、可能性があることを知った上でメリットとデメリットの両方を考え併せて使用することが大切と言えます。

Q.他に、乳がんリスクを上げてしまう行動はありますか?

閉経後の運動不足も、乳がんリスクを高めます。これは「閉経後の肥満」がリスクを高めることと関連していると思われます。いくつになっても適度な運動を続けることで、乳がんリスクを低くすることができるのです。と言っても年齢を重ねてから急に運動を始めるのは大変ですから、若いうちから意識して運動を習慣にしておくと良いでしょう。

 

▼私リスクが高いかも?心配なときの対処法


Q.乳がんリスクが高い要素にいくつも当てはまっている場合、どんなことに気をつければ良いですか?

基本的には、若い頃からできるだけリスクを下げる生活を心がけましょう。具体的には飲酒や喫煙をほどほどに抑え、適度に運動する習慣を身に着けておくことです。
さらに月1回のセルフチェックを行いましょう。乳がんは、がんの中でも自分で発見できる珍しいタイプのがんです。そして早期に発見できれば治る確率も9割と非常に高くなります。

▶セルフチェックの正しい方法については、前回の記事をご覧ください。

 

Q.20代、30代でも検診を受けた方が良いのでしょうか?

30代以下の方に関しては、そうとも限りません。というのも若い方の乳がんは非常に少なく、また検診では見つかりづらいのです。
マンモグラフィ検診ではX線に白く写り込む乳がんを探します。ところが若い人の乳房には乳腺という組織の濃度が高く、この乳腺もX線に白く写り込むので、乳がんか乳腺かの見極めが難しくなります。ですから20〜30代の方は、超音波による検診や月1回のセルフチェックをしっかり行うことをおすすめします。

Q.若くても検診を受けた方が良いケースはありますか?

遺伝性のリスクがある方は、検診を積極的に受ける必要があります。まず乳腺外科の医師に相談して指示を仰いでください。検診にはマンモグラフィだけでなく超音波(エコー)やMRIという方法もあります。どれを受けるかも含めて医師と相談しましょう。

Q.遺伝性のリスクが考えられるのは、どんな人ですか?

前述のとおり、

・親族に乳がん患者が複数いる
・親族に若くして乳がんになった人がいる
・親族に両側性の乳がん、卵巣がんにかかった人がいる

こうした場合は乳がんになりやすい遺伝子を持っている可能性が考えられます。ただし家族に乳がん罹患者がいるからといって全員リスクが高いというわけではありません。

自分が遺伝性リスクを持っているかどうかを知りたい場合は、医療機関で遺伝子検査や遺伝学検査を行うことで分かります。通販などによる検査ではなく、医療機関できちんと遺伝カウンセリングを受けた上で行うことが大切です。もし本当に遺伝子リスクを抱えているという結果が出た場合はどうするのかという、その辺りまで相談できる医師を見つけましょう。

これはあくまでも遺伝子的なリスクに心当たりがある人の場合です。それ以外の人に関しては、無理に遺伝子を調べる必要はありません。むしろ月1回のセルフチェックをしっかり行っていきましょう。

20〜30代の乳がん対策は、月1回のセルフチェックが基本なのですね。
セルフチェックの方法については前回の記事にて詳しく解説していますので、参考にしてください。

次回は、女性なら誰もが将来受けるであろう「乳がん検診」についてです。「痛いって本当かな?」「女性の技師さんにお願いできる?」など、気になる疑問を伺っていきましょう!

 明石先生

■明石定子(あかしさだこ)先生
昭和大学病院乳腺外科准教授。1965年生まれ。東京大学医学部医学科卒業後、同大学医学部附属病院第三外科に入局。1992年より国立がん研究センター中央病院外科レジデントとしてオペの経験を積み、同乳腺外科がん専門修練医、医員、2010年には乳腺科・腫瘍内科外来病棟医長を務める。2011年より現職に就任。日本外科学会指導医・専門医、日本乳がん学会乳腺専門医・指導医・評議員、検診マンモグラフィ読影認定医師。

■取材協力 日本対がん協会

(取材・文/豊島オリカ)

 

 

★【頭痛の治し方4】ガマンからも、痛みどめの乱用からも卒業!専門医に聞いた、正しい頭痛の治し方

★産婦人科医が語る正しいPMS・生理痛の予防・対処法。「我慢してもいいことはありません」

>CanCam.jp TOPにもどる

関連記事

Source: cancam