美人なのに本命になれなかった女の末路 #R18の伝記

美人なのに本命になれなかった女の末路 #R18の伝記
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美人に生まれたら人生イージーモードだったのに……。

そう思ったことのある女性は私だけじゃないはず。でもクレオパトラの人生を思うと、美人は美人で大変なのかもしれない。

クレオパトラといえば、元祖“囲み目メイク”……ではなくて、古代エジプトの女王としてみんな知ってると思う。でも「何をした人か?」と聞かれて、パッと答えられる人は案外少ないんじゃない? 「美人すぎる○○」と同じように、その美貌にばかりフォーカスされすぎて実績が霞んでしまうのは美人によくあること。なかには、クレオパトラの美貌はたいしたことないと評価した人もいたようだけれども……。あることないこといろいろ言われて、有名人って本当に大変。

でも、 王国復興のためにクレオパトラが文字通り“体を張って”尽力したことを忘れては彼女に失礼だ。

クレオパトラが王位についたのは18歳のとき。王であるお父さんが亡くなって、弟と共同でその跡を継ぐことになったってわけ。ねえ、待って。18歳って今の時代だと、まだ高校3年生だよ? いくらなんでも国を任せるにはちょっと心配じゃない? 夜な夜な「女王就任パーティ」という名目の乱痴気な騒ぎを起こしそう。

でも、当時のエジプトはすでに最盛期を過ぎて落ち目な状態に。クレオパトラもその弟もツイてないよね。そこで、王国復興のためクレオパトラが考えたのが、「勢力拡大中のイケイケローマと協力関係を結ぼう」計画。

だけど、ここで思わぬ障害が現れる。弟をそそのかす教育係や軍司令官などの おっさんたちだ。彼らは賢いクレオパトラを邪魔に思い、「勢力拡大中のイケイケローマと協力関係を結ぼう」計画に反発。そして激しい内輪モメを繰り広げ、孤立無援となったクレオパトラは宮廷から逃げ出すのだ。

家なき子になったクレオパトラだけど、天は彼女を見放していなかった。政敵を追ってローマの将軍ユリウス・カエサルがエジプトにやってきたのだ。これは計画を実現する大チャンス! だけど弟たちに遮られ、カエサルのいる首都に近づけない! そこでクレオパトラはかの有名なエピソード「自分を絨毯に包み、贈り物のふりをしてカエサルのもとへ届けさせる」を決行。

何? この美人にしか許されない芸当。

この大胆な行動に、モテ男のカエサルも大興奮。そりゃ美女がいきなり「プレゼントはワ・タ・シ」なんて現れたら、嬉しくない男はいないよね。でも、クレオパトラがすごいのはこれだけじゃない。語学が得意だった彼女は、通訳なしで一晩中カエサルとキャッキャッウフフと語り合ったらしい。

スゴイよパトラ! 奇襲作戦で惹きつけた彼の心をトークでグッと掴むそのテクに、銀座のママもビックリだよ!

と、これだけでもう十分「カエサル捕ったどー!」だけど、ここで終わらないのがクレオパトラという女。歴史や文学にも詳しい一面を見せて「ギャップ萌え」を演出し、カエサルを虜にしちゃったのだ。王女で美人でおまけに知的ってどうなの? この神様の不平等さ、えげつない。

こうして恋の僕(しもべ)となったカエサルは、クレオパトラと弟たちを仲裁。クレオパトラは弟と形式上の結婚をし、姉弟で共同統治することに。

え、さらっと言ったけど、弟と結婚って何? いくら形式上とはいえ、倫理観的にどうなの?

クレオパトラは晴れて内輪モメを解決 して、カエサルとも順調に愛を育んだ。その後、カエサルは半年以上もエジプトで暮らしたらしい。

ん? 半年以上も? カエサルよ、仕事はどうした? そなたローマの将軍であろう?? しかもまさかの既婚者 ! だいたいクレオパトラもクレオパトラだよ! 一国の主として、他国の男性の2番目の女でいいの?

美人で賢い女性ほど、仕事ができて余裕のある既婚者と不倫する気がするんだけど、どう思う? 実際は仕事もたいしてできないし、妻がいるからこそ成り立つ儚い余裕なんだけどね。

そんな2人におめでたいニュースが舞い込む。クレオパトラが長男・カエサリオンを妊娠するのだ。「これで本妻と別れてもらえる」とクレオパトラが思ったかどうかは知らないけど、カエサルは息子が生まれる前に戦争に行ってしまい、音信不通に。好きな人に「既読スルー」や「未読スルー」をされたことある女子なら、このときのパトラの気持ちわかるよね?

「なんで連絡くれないの?」「私のこと、もう愛してないの?」

この問いが脳内を永遠ループする地獄。逆効果ってわかってるけど、会いたくて彼の自宅や会社に乗り込んでしまう。

そう。パトラもカエサルのいるローマに乗り込んじゃったよね。

それでカエサルはどうしたか。正直、もう冷めてたらしいけど、自国にまで乗り込んできた愛人を放置するのは危険だと思ったのか、ローマの街でデートしたり、市内に彼女の像(しかも黄金!)を建てたりしてご機嫌を取ったみたい。

やるじゃん、カエサル! 将軍ともある男は、リスクヘッジもちゃんとできる!

だけどできる男・カエサルは最大のミスを犯していた。愛人のご機嫌取りに夢中で、ローマ市民の怒りを買ってしまったのだ。そりゃ不倫だしね、ぐうの音も出ないよ。

最終的にカエサルは暗殺され、クレオパトラはエジプトへ逃げ戻ること になる。

エジプトはクレオパトラとカエサルの関係のおかげで平穏そのものだったけど、カエサル亡き後、この平和もいつまで続くかわからない。そこでクレオパトラは新しい権力者に接近する。それが、カエサルの暗殺者たちを倒し、新たな英雄として名声を得ていたアントニウス。

男を落とすなんて朝飯前のクレオパトラ。今回は煌びやかな船で登場し、真珠をお酢に溶かして飲むパフォーマンスを披露したそう。お金と美貌がある人は、パンピーには思いもつかないようなテクニックを使うよね。そしてアントニウスは骨抜きに。

クレオパトラ28歳、アントニウス42歳。まあ納得といえば納得だよね。おじさんと若い女性のカップルはいつの時代にも存在する。

にもかかわらず、アントニウスは「お国の事情」とやらで帰国。しかもびっくりしちゃうのが、妻が病死した途端、別の女性と再婚して子どもまでつくっちゃったらしい。ちょっと待って。アントニウスにも妻がいたの? しかも、せっかく妻が病死してクレオパトラにチャンスがめぐってきたのに、あっさり別の女性と結婚って! しかも子どもまでつくっちゃって。2番目の女って、本命がいなくなったからといってそう簡単に繰り上がるわけじゃないのね。

一方クレオパトラは、アントニウスが戻ってくるのを3年間も待っていたというから衝撃。しかもアントニウスとの子どもを産んで育てながら! あんたみたいないい女が、なんで日陰の女に成り下がってるの……。

それでもアントニウスが遠征でエジプト近くにやってきたとき、再会を果たしたみたい。そしてこのときに正式に結婚して、子どもを認知したり、土地を献呈したりしたんだって。3年も放置した罪滅ぼしをしたかったんだろうね。

アントニウスは、戦争後に自国ローマではなくエジプトに凱旋したり、クレオパトラとの子を相続人にすると書いた遺言状を作ったりして、ローマ市民の反感を買った。あれ、なんかものすごく嫌な予感がする……。

そう、カエサルの前轍を踏んでしまったの。

国中が「反アントニウス・反クレオパトラ」となり、2人はローマ軍から狙われることに。せっかく本命の座を手に入れたのに、あまりにも早い転落。しかも結局2人の軍は負けちゃうんだけど、戦いの最中にクレオパトラと離れ離れになったアントニウスは、「女王は死んだ」という言葉を信じて自殺。なんなら、クレオパトラも毒蛇に胸を咬ませて自殺。

もう不幸のオンパレードだよ!!

そしてクレオパトラが死ぬと同時に、エジプトはローマに支配されちゃったってわけ。

王女で美人で賢い。誰もが羨ましがるものをすべて持っていたクレオパトラ。だけど、そのセカンド女子の座に甘んじ、自国を破滅の道へと導いてしまった。楊貴妃もそうだけど、美人だからといって幸せとは限らないんだよね。

でも誰が一番かわいそうって、エジプトの人たちじゃない? 現代でいうと、総理大臣が他国の既婚者と不倫したせいで、国の政治もままならずに他国に占領されちゃうってことでしょ? 末代まで恨まれ続けるよね。

(文:五十嵐綾子、構成:パンジー薫&マイナビウーマン編集部、イラスト:たけだこうへい)

Source: マイナビウーマン